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代表挨拶

廣瀬 武

Q 支援活動のきっかけは?

始めたきっかけは自分の実体験が基になっています。私が24歳の時に両親が二人とも病気を患って亡くなったのですが、当時高校生だった二人の妹と祖母を、その時から僕がずっと面倒を見ていました。

それから祖母が一人で住むようになったのですが、ボヤ騒ぎを起こしたり、悪徳な訪問販売に引っかかるようになり、もうこれ以上は広い家に一人で住まわせられないということで、市営住宅に入れさせることにしました。その時に、民間の家から高齢者一人が市営住宅に入ろうとしても倍率が高く、何度も落選を重ねることになりました。それでも3、4回ぐらい待ってようやく市営住宅に入れたものの、祖母は寂しい寂しいとしょっちゅう言っていました。今までは戸建だったので、一人で住んでいても何かあれば町内会の人達が助けてくれていたのですが、市営住宅になるとマンションの一室なので誰とも付き合うことはなかったようです。

そのような様子で祖母は1年ぐらい市営住宅に住んでいたところ、私が海外に出張しに行っている間に孤独死した状態で市営住宅のお部屋の中で発見されました。誰にも気づかれずに亡くならせてしまったのはかわいそうだったなということと、高齢者一人になるとこういう最後の終わり方しかできないのかなと感じました。

お金があれば老人ホームにずっと入ることもできると思うのですが、入れる人はそんなに多くないと思うのです。そうすると最後は市営住宅に入って、無理やり隅の方に追い詰められてひっそり亡くなるのかなと思った時に、自分が不動産屋として何かできることはないのかと考えました。内容としては、住居を探すのに困ってる住宅確保要配慮者の方々のために、使っていない空き家を少し改修して貸し出せるようなシステムを作れたら良いなと考えました。

以前、義父が複数棟の空き家と何十年も同じ賃借人の方が借り続けている古い貸家を所有していたのですが、空き家の持ち主側の悩みとして、使っていない空き家に不法侵入されて人が勝手に住み着いてしまったことや、大きなスズメバチの巣が出来て周りの方から苦情が入ることがありました。持っている当の本人は使い方がわからず、また古い貸家では、朽ちていつ倒壊してもおかしくない古い家に住み続けている賃借人の方も、引越し先がないからどうしたら良いかわからないという状態を今まで見てきました。なので、使っていない空き家を少し改修して、住宅確保要配慮者の方々に貸し出す支援事業をしたいと思っております。

Q 支援活動の具体的な内容は?

住宅確保要配慮者と言われる、例えば高齢者の単身の方や低所得者の方、子育て世帯の方が、大家から疎まれるというケースがあります。そういった方は滞納等周りの方とのトラブルの種になりかねないので、入居審査の時に拒否されるケースがあります。

ただ、そういう拒否されてしまう方達のセーフティネットになるのが、正直なところ今だともう公営住宅ぐらいしかない現状があります。そのうち公営住宅すら数がどんどん減ってしまうと、そういう方々のためのセーフティネットとなるような住居がなくなってしまうのです。そこで使っていない空き家を貸し出せるようなシステムで住宅確保要配慮者の住居の確保を支援したいと考えました。

そもそも何故空き家になるかというと2パターンありまして、一つ目は元々皆さんのご両親が住んでいたお家は皆さんが外に出ていって一人で住むことになり、その後老人ホームに移り、元の家には住む人がいなくなって空き家になるパターンです。二つ目は、相続が発生して使い道のない状態で空き家になってるパターンです。これらがほとんどで、統計で2/3くらいがそういう理由で空き家になっていると言われています。

前者のパターンに関しては、民事信託を使った有効な対策として身体が元気な間に受託者に不動産を任せて賃貸を始められる仕組みを考えています。所有者がご高齢の方の場合、認知症になってしまうと賃貸に貸し出すという行為自体が難しくなります。元気なうちにお子さんや当社を使って処分を実際にやってくれる人、すなわち受託者に全て任せていただいて、不動産だけは社会のために使って、賃貸で入ってきたお金は後々の介護費用や生活費にあててもらえるようなシステムを作れたらと思います。

後者のパターンに関しては、相続になって共有名義として子供たちなど複数人で管理する場合だと、家の処分の方法がうまくいかない場合があります。こういった場合を想定して、民事信託を使って皆さんの権利を一つに集約し、修繕や賃貸に募集をかける活動をしやすくする仕組みを考えています。土地は分けられないですが信託を用いて家賃収入として変換することで、分散できるお金として皆さんで維持してもらうという仕組みを考えています。

Q 今後の想いは?

大家の立場として貸主になるケースであっても、支援事業として貸主をサポートする立場に回っても、どちらになっても住宅確保要配慮者の方を差別しないで入居を進められるようにしたいと思っております。入居する際に公的機関も保証会社、債務保証を引き受ける会社の斡旋をするので、手続きのサポートや定期的な見守り、トラブルがないか等の管理もできたら一番良いと考えております。

最終的には小さい戸建てを違うエリアに点在させるのではなく、ある一極に集約できたら一番いいなと思っています。生まれてきた家の経済格差によって子供が受けられる教育の質が変わってしまうのは、不平等であるし子供に何も悪いことはないのにかわいそうだなと思うのです。

なので生活に困窮している世帯の子供達を集めて、一般的な家庭で受けられるぐらいの教育を均一に受けられるように、例えば放課後や土日を使って教室のようなものを作って、一斉に授業ができればいいなと思っています。

今思い描いているのは、親に頼らなくても独立して生きていけるようなスキルを得られる教育を考えています。あまり学校で教えないようなお金・財務・起業するときのお金の借り方の授業など、そういうことを周りの大人から教えてあげれたら、子供の将来も変わるのかなと思っていて、そんな未来を作れたら一番いいですね。

私はファイナンシャルプランニングの資格を独学で20代の時取ったのですが、FPの資格の勉強はかなり自分のタメになったと思っています。ビジネスに直結する資格という訳ではないのですが、この資格の勉強をもっと小さい頃にしていたらもっとタメになっていたなとよく思いまして、税金とか、社会保障の話は学校で子供にしないと思うので、そういう話もしてあげたいなと思います。

新卒で私は不動産屋に就職して、もうずっと不動産を扱っているのですが、本来この不動産というのは衣食住のうちの住を免許業として独占的に担う業者です。だからより高度な職業倫理と公益に資するような活動を本当はしないといけない職種だと思っているのです。なので、社会慈善活動も当然のこととしてやらないといけないと思っています。その一環としての活動ですので、もっと世の中のためにできることを模索し最終的には日本が良くなれば一番良いなと思っています。